Daylight Saving Time in Melbourne.

日本で真夏の夜の夢

 

ども、メルボルンのくろねこです。皆さん、いくつかの国でやってる「夏時間」ていうのを聞いたことがありますか?メルボルンにも夏時間があるんですけど、これが実に「くせ者」なんです。今日はこの「夏時間」について皆さんと笑って心ほっこりしてしまおうかと思いますwww。最後までお楽しみあれ~

 

メルボルン年度末は頭ぐるぐるホットな3か月

10月になるとメルボルンはすっかり春になります。でも、日本のように「ゆっくり季節が移り替わって」というよりも「今日は春で明日は夏であさっては冬、でまた春に戻る」のサイクルで、このサイクルの回転速度が少しずつ早くなりながら暑くなってゆき、気が付くと真夏になっています笑。いや~正直言ってちょっと憂鬱になる季節です。毎日、いや毎時間、天気がころころ良く変わり、先の天気が見通せないまま、それでも確実に激熱の夏が迫ってくる。

先生の仕事してる人の台所は夏時間にひっくり返る?

私は幼稚園教師で、春から夏にかけてものすごく忙しい季節なので、考えるだけでも眼の前がくらくらしてきます笑。この忙しさを学期の流れで説明するとこんな感じです。

1学期(2月、真夏に始まる)新しい学年の始まり。何だか分からずにドタバタして「あっ」という間に過ぎる。何をしたのかほとんど思い出せないまま学期末を迎える。

2学期(5月、秋の始まり)クラスにもまとまりがついてくる頃。まあ落ち着いて楽しめる季節かなあ。子供は幼稚園を満喫。

3学期 (7月、冬)ちょっと 焦りだす。学年末までにやらなければならないことが頭をよぎりだす。だけど冬で、人々はまだ活動的じゃないので「あわてなーい、あわてなーい」の精神でやり過ごす。学期末の2週間休みの間も「なんか考えなきゃいけないんだっけ?」と無理矢理考えないふりをする。

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4学期(10月、春、で、すぐに夏)ひゃあ!やらなければいけないことが一気に「どど~っ」と押し寄せる。まず 進学する子供の学校に送る22人分のレポート。一人分約5ページはあるから合わせて110ページだ、ふえん。次に考えなきゃならないのは子供達と野菜の苗を植えること(ぐずぐずしてたら、あっという間に夏になって、日光が強すぎて苗が育たない。しかも、何と、もうすぐ学年末!こどもが学年を終わるまでに野菜を収穫せねば!と血眼になる。)続いてコンサートの練習と準備。他のクラスの先生は、毎回練習が終わると子供たちに “Good work, Get some energy”と言ってグミベアを配っていたw。子供も気温が上がってきて毎日ふうふう言ってる。でもって、年度末の特別遠足の企画。バスの手配、下見、パパママボランティアの募集なんて感じで、てんてこ舞い。それでもってクリスマスマパー ティの企画。サンタクロースもイイのを捕まえてこなきゃならない笑。締めくくりは子どものクリスマスギフト作りと、幼稚園からの子供達へのギフトの用意。

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…とまあ こんな風に、まるで調理器具と食器を出せるだけ出して料理して台所がひっくり返っちゃう勢いだ。ううう…思い出すだけで隠れたくなるう笑。で、強調したいのは、こんな風にあっちだ、こっちだ、と走り回ってる間に ジワリ、ジワリ、と夏が確実に近づいて来て…「もうダメ!忙しすぎる~」という頃には、死にそうなくらい熱い紫外線が直撃するようになります。 私たち幼稚園先生は、毎日炎天下の中日焼け止めクリームをもって子供を右に左に追いかけっこ状態(日焼け止めを嫌がる子供を追いかけまわす笑)。

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みんな夏時間で世界がざわざわ

一年で一番忙しい時が「熱くなってゆく季節」、というのはかなりしんどく、「さあ、これから来るさわやかな夏を満喫するわよ!」という、日本の初夏のようなさっぱりとした甘酸っぱさはまるでありません(「wwwなんだよー甘酸っぱさって~!日本だって汗かきかき、せみミンミンの夏じゃああん!」って言ってる人いますね、そこで笑。でも、夏が来るわくわく感に「軽やかさ」がないっていうのがメルボルンの夏!先生じゃなくたって、子供や学生はもうすぐ新しい学校、学年が始まるので何だかソワソワ、親もそれでソワソワ、それなのに一年に一度の大イベントであるクリスマスの準備もしなきゃなんない。そんなこんなで、みんな心がざわざわ。おまけに高校生や大学生は年度末のテストの季節でもあります泣。

夏時間の頭ぼんやりミステリー

春になると、生活が普段に増して混乱状態に陥る(?笑)のは、この夏の忙しさと暑さだけではなく、他にも理由があるんです。それはですね..。今日のお話の本題「夏時間」の到来です!!ひえ~この響きも、また私を憂鬱な気分に…

夏時間というのはですね、つまりこうです。

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あなたが毎朝、出勤するために朝6時に起きるのが日課だとします。「明日も時間通りに起きよう」と目覚ましを6時にセットしたとしますね。けれど「夏時間」の夜明けの3時に妖精がきてあなたのスマホの時計を一時間早くして4時にしたとします。さて、目覚ましは予定どうり6時にあなたを起こします。が本当はまだ5時なわけです。もちろん眠い、まだ寝てた~い!でもいつものように顔を洗って出掛ける準備をしなければいけませんね。つまりですよ、あなたはあなたの時間を1時間なくしてしまったわけです。そしてあなたはこの「失われた1時間」を取り戻せないまま、次の年の3月の終わりまで(夏が終わるまで)過ごすことになります!!

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で、これはどういうことかというとですね、あなたがいつもの通り夜の6時に夕食を準備して食べて子供を8時に寝かしつけようと思っても、実はまだ7時なわけです。日本もメルボルンもオーガニックな夏の日没時間はだいたい7時頃だそうですから、時計が1時間進んでいるとなれば、なんと外はまだちょっと明るい夕暮れなんです!つまり、まだ明るいうちに夕食を済ませて夕方に寝かしつけることになります。はっきり言って子供は寝ません笑。「夜」と言える静かな「闇」がやっときて心が落ち着けるのは大体9時ごろになります。人々はこの時間になるとようやく落ち着いて「夜」の時間に入って行きますが、大人は「夜」も楽しみたいのはどこの国でも同じです。ここからワインを飲んだり映画を見たり、気が付くと「今日も夜更かし」状態になっていて、これが夏中をめぐる日課のスーパー悪循環に陥る原因になるわけです笑。

メルボルン子の夏時間の使い方

もともと、この夏時間というのは、正式には Daylight Saving Time といって、夏に長くなった日照時間を有効活用する、という理由で取り入れられた制度だそうです。つまり、日没が遅くなることで、それまでの時間を活用して、スポーツをやったり、ジョギングをしたり、習い事をしたり、フェスティバルやイベントに参加したり、友達をよんでプールパーティ、はたまた昼間の強い紫外線を避けてビーチで遊ぶなんて事もできます。まあ、メルボルン子は全体的に夏時間をそんな風にアウトドア活動に使うことが多いようです。

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ベンジャミンフランクリンの節約術と夏時間

最近まで、この Daylight Saving Timeによって光熱使用量もかなり節約できるとも言われていました。ウイッキペデアでDaylight SavingTime の始まりを調べてみると、「ろうそくを節約するために起床時間を日中の時間に合わせるというアイデアは、1784年にアメリカのベンジャミンフランクリンによって最初に提案されました。」とあります。これだとわかりやすいですよね。つまり、長い日照時間の間に活動することで、夜の活動時間を短くしそれによって光熱システムを節約できる、という考えです。

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が、Live Scienceという米国サイトの ’Daylight saving time 2021: When we change our clocks and whyなぜ時間を変えるの?’という記事には 夏時間について「夏時間の名目上の理由は、長い間エネルギーを節約することでした」と説明した後に、しかし2000年以降に行われたのいくつかの調査によって夏時間の影響でエネルギー節約ができた証拠はほんのわずかであったと書いています。つまり、エネルギー節約という点から見ると本当はあまり意味がなかった、ってことですね笑。

「夏時間で鬱になりまして。」

また、最近の米国の調査では、Daylight SavingTime が始まるとアメリカ人の半数以上の人が疲れを感じるようになるという事で、それが原因で鬱病を発症したり、心臓発作のリスクが高まったり、交通事故や作業中の事故が増えたり、流産なんかも関係しているのではないかという調査報告のあるのだそう(Anna Buckle, ’Negative Health Effects of DST’)。まあ、どのくらい信憑性があるのかはわからないけれど、実際に毎年メルボルンでDaylight SavingTimeを「お迎え」している経験から感想を言ってみても、夏時間になると毎日疲れてる、というのは確実に納得できる。(これに加えて年度末のドタバタ劇ある先生達が「鬱病」を発しても決しておかしくはないだろう…)

 

「日本でも夏時間やったことあるんだって。」

ところで、日本にも夏時間を取り入れた歴史があるんだそう。ウイッキペデアによると

「日本において夏時間は、第二次世界大戦敗北後の連合国軍占領期GHQ指導下で公的に導入され、1948年昭和23年)4月28日に公布された夏時刻法に基づき、同年5月2日の午前0時から9月11日にかけて初めて実施された。以後、毎年5月[…]に夏時間が実施されることとなったが、残業増加や寝不足を引き起こすなどとして不評を呼び、1951年(昭和26年)度はサンフランシスコ講和条約が締結された第2金曜日の9月7日で打ち切られ、翌1952年(昭和27年)4月27日の占領終了と同月28日の条約発効による日本の主権回復に先立ち、夏時刻法は同年4月11日に廃止された。なお、当時の人々やマスメディア日本語表記は、サマータイムではなくサンマータイムだった。」だって笑。

日本の夏の風景はやっぱりこれ!

ウイッキペデアには、「赤いリンゴ」時代の二人のご婦人が時計屋さんで、懐かしのボンボン時計の針を一時間進ませている様子が、まるでお祭り騒ぎのように写っている陽気な写真が貼ってあります。けれど、日本で育った私が個人的な意見だけど言ってみると、「サマータイム」は絶対に日本のお祭り文化には合わない!と思うのです。やっぱり、夏の夜はですね、家族が電灯の下に集まってハフハフとカレーライスを食べ、それからきゃっきゃっはしゃいでお祭りや花火大会へ行く、お化けの肝試しをする、そしてかすかな蚊取り線香の香りの中で夜の星空を楽しんでから眠りにつく。

そして翌日早起きしたら、もうすぐに夏の朝を満喫。 すぐに半袖短パン着て(夏時間を採用したら、初めのころはおきてから少しの間まだ寒いので暖かい格好しなきゃいけません笑)、虫取り網とかごをもって野原に飛び出していく…「いったい、いつの時代の話をしてるか?」と言われてしまいそうですが、こういう日本の風情は昭和時代だけではなくいつまでたっても同じじゃないかなって思います。

四季が私たちの生活を、そして人生を励ますようにしながらゆっくり流れてゆく、そんな日本で味わう「オーガニックタイム」。昼間に太陽の光をいっぱい浴びて思いっきり大冒険、夜は宇宙が降ろす闇の神秘性を十分満喫して人生を学ぶ、日本人ならそんなふうに夏を謳歌したいものですね。

日本の皆さんはこれから寒い冬を迎え、春の訪れを喜び、そしてまた生命力のある夏へと再び突進して行くのかしらん。心がほっこりする「春夏秋冬冒険」、これこそ日本に住む人の特権!ぜひ楽しんでくださいね。∸ 大人だって冒険を楽しんじゃいましょうよ、だって私たちはみんな地球の子供たち(ここでなぜか、さりげなくEarth Children Blogのキャッチフレーズwww)

ちょっと最後にEarth Children YouTube動画のご紹介!…まあ、今回の記事ではいろいろ書きましたが、メルボルンの夏時間がやって来る春の季節も、みんな眠くてちょっとだらけてるけど、ホントはそんなに悪くはありません:)今回 メルボルンのそんな呑気な春の風景を集めて動画にしてみました。音楽と映像だけの心の癒し動画です。ちょっと覗いてみてくださいね。

Earth Children Blog 心ほっこりのんびり話、今回の「メルボルン夏時間のミステリーと日本の心ほっこり真夏の夜の夢~みんなで地球オーガニック時間を満喫!~」はいかがでしたか?私もこの記事を書くにあたって、またまた心ほっこり日本を再発見できてとても楽しい時間となりました。ここから購読登録してくろねこの心ほっこりのんびり話にまた付き合ってくださいね。コメントもお待ちしています!コンタクトはこちらをクリック。

Reference;

Live Science, “Daylight saving time 2021 When we change our clocks and why” https://www.livescience.com/56048-daylight-saving-time-guide.html

Negative Health Effects of DST, Anne Buckle, https://www.timeanddate.com/time/dst/daylight-saving-health.html

 

こんなお話もあるよ!

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